マネジメント

「やる気」があれば習慣を始められるかもしれないが、習慣を続けられるのは「自分のアイデンティティの一部」になった時だけ。

最近あらためて「ジェームズ・クリアー式複利で伸びる1つの習慣」という本を読み直していて、これは真に「金言」だと感じる箇所があった。

その箇所は、以前読んだ時にもマーカーを引いていた部分だったのだが、今回は自らの経験値が上がっていたこともあり、届く深さが違った。

以下に、その箇所を紹介する。

本当の行動変化は、アイデンティティーの変化である。

やる気があれば習慣を始められるかもしれないが、その習慣を続けられるのは、自分のアイデンティティーの一部になったときだけである。

誰でも一、二回はジムへ行ったり、健康的な食事をしようと自分に言いきかせたりすることはできるが、その行動の背後にある信念が変わらなければ、長期的な変化を続けるのは難しい。

自分の人となりの一部となるまでは、その改善は一時的なものにすぎない。

・目標は本を読むことではなく、読書家になることである

・目標はマラソンに出ることではなく、ランナーになることである

・目標は楽器の演奏を習うことではなく、音楽家になることである

行動は、たいていアイデンティティーの反映だ

あなたがすることは、意識的であれ、無意識であれ、自分はこういうタイプの人間だと信じていることを示している。

研究によれば、人は自分のアイデンティティーのある側面をいったん信じたら、その信念に合うように行動しがちだという。

たとえば、「自分は有権者だ」と思っている人は、ただ「投票したい」と言っている人より、投票する確率が高い。

同様に、運動がアイデンティティーの一部である人は、トレーニングするよう自分に言いきかせる必要がない。

正しいことをするのは簡単だ。つまり、行動がアイデンティティーと完全に一致すれば、もう行動変化を追い求めなくてもいい。

これが自分だと信じているタイプの人らしく、行動するだけだ。

やる気があれば習慣を始められるかもしれないが、その習慣を続けられるのは、自分のアイデンティティーの一部になったときだけ」という箇所に関しては、私にとって本当に目からウロコだった。

それもあって、本記事のタイトルにも引用させてもらっている。

要するに、「自己のアイデンティティ」とは「自分が信じているもの」のことで、習慣を継続していくには、それと紐づけていくことがウルトラ重要。

そして、どんな行動もはじめることはできるかもしれないが、信じているものと紐づいていない行動が続くことはなく、当然習慣化されることはない、ということである。

例えば、私は「血流がすべて解決する」ということを信じている。

この信念にしたがって「血流を良くする」という行動指針は生まれ、「血流がすべて解決する」は私のアイデンティティの一部となった。

ゆえに、

血流を良くするために通うようになった「サウナ」は、今やもう習慣で、そこそこ人に語れるように詳しくなった。

血流を良くするために飲むようになった「白湯」は、起き抜けにてつびんで白湯をつくることが習慣となり、ほぼ毎日欠かさずに飲んでいる。

この流れで、白湯を楽しむためのプライベートブランドまで作ってしまった。

さらに、

食事の量は普段と変えないものの、食事を抜く期間を周期的に差し挟む「間欠的断食」もやりはじめ、今もなお続けられているのもきっと「血流を良くする」ためだろう。

このように、「自己のアイデンティティ」にしっかりと紐づく行動は、ほとんど全てが習慣化されているという確かな実感と手応えがある。

こうして「記事を書くこと」が習慣化されているのも、「発信なくして受信なし」を私が信じているためだ。

一方、習慣にしようと試みた行動が、習慣にならなかった背後には、やはりアイデンティティとの紐付きが見当たらないという実感もまたある。

「DTM(DAW)を触る」

「英語記事に目を通す」

「プランクをする」 

「農業の情報に触れる」

「ペン字の練習をする」

などの行動は、「習慣にしたい」と思ってはじめたものだが、結果からすると今はどれも続けることができていない。

振り返って考えてみればこれらはいずれも「自己のアイデンティティ」にしっかりと紐づいていなかった。

ジェームズ・クリアーは本の中で、「新しい習慣を始めるときは、2分以内にできるものにする」というルールを提唱している。

小さく始めるべきだと分かっていても、つい大きく始めてしまいやすいものだ。

変わりたいと夢見ているときは、どうしても興奮が抑えられず、多すぎることを早すぎる時期にしたくなる。

こういう性向を和らげるのにもっとも効果的な方法は、「2分間ルール」を使うことである。

これは「新しい習慣を始めるときは、2分以内にできるものにする」というルールだ。ほぼどんな習慣でも、2分間バージョンに縮小できる。

習慣は「最適化」する前に「標準化」する必要がある。

確かに「2分間ルール」は標準化のための有効打だと言えるだろう。

しかし、前述した行動でやってみた結果、肝心要の部分(アイデンティティとの紐付き)が欠けていては、習慣をはじめることはできても、習慣を続けることはできないことがよく分かった。

つまり、「2分間」を続けることができず「標準化」できなかったのだ。

YouTuberが毎日動画を更新する作業や、読書家が毎日読書をすることは、彼ら彼女らのアイデンティティと完璧に紐づいている行動と言っていい。

他の人から見れば、苦行のように感じることであっても、当の本人たちにとっては、毎日淡々と更新すること自体が自分の信念を再認識し、自身の誇りにつながるため苦行でも何でもない。

思うに、何かを習慣にしたいと思うなら、まずもって私たちが考えるべきことは「どのようなアイデンティティを持った人間になりたいのか?」であるべきで、言い換えると「どのような信念を持った人間になりたいのか?」ということだ。

人気女優の田中みな実さんが、「習慣化の権化」であるのも、

思うに「美しくある」というアイデンティティ(信念)がベースにあるから。

個別の習慣の良し悪しを議論することについてはあまり価値がない。

それよりも、

「自分は一体どこを目指したいのか」

「自分の信念は何なのか」

本当に大事なことはこれを明確にすること。

その上で、自己理解を進め、より自分の理想に近づけるであろう習慣を洗い出し、そして選択をする。

「環境」や「仕組み」を整えて実行に移すのはその後工程だ。

本当に金言だと思うので最後にもう一度だけ記す。

「やる気」があれば習慣を始められるかもしれないが、習慣を続けられるのは「自分のアイデンティティの一部」になった時だけ。

Photo by Ben Sweet on Unsplash

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【著者プロフィール】

○HTML名刺▶︎田中新吾

ブロガーサユラー(白湯愛好家)、バリューディレクター(VD)

主な仕事は、新たな価値の発見や再定義(ValueDesign)、言語化やデザインによる価値の見える化(ValueCreative)、価値に人が集まる仕組みづくり(ValueMarketing)。所属は複数。

○Twitterアカウント▶︎田中新吾

◯Facebookアカウント▶︎田中新吾

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