大切にしたい視点

「食べたくない」という第一印象は変えられない。

どうも、田中新吾と言います。

巷ではタナシンとも呼ばれています。

この間「アーティチョーク」という食材をいただく機会がありました。聞いたことありますかね?これなんですけど。見た目なんかやばいですよね……

クライアント企業の社長からお薦めされ一緒に食べさせてもらう機会がありました。

今回はこの「アーティチョーク」という食材について食べた感想や考察をしてみたいと思います。

ちょっと長めですがたぶん「へえー」ってなると思うので読んでみてください。

アーティチョークってなんだ?

まずは知らない人のために簡単なアーティチョーク紹介。

アーティチョークは、日本国内では一部のイタリアンやフレンチなどのレストランで提供されている程度で、食材としてはまだまだ認知度が低いです。キク科の野菜で食用に使われます。調べてみると、アーティチョークは地中海沿岸のヨーロッパでは春から初夏にかけてごく身近な食材として、一般家庭でも好んで食べられているみたいですね。

普通は茹でて食べるようですが、ブロッコリーなどのようにすべてを食べられるわけではなく、付け根の肉厚なところや花の芯のところはかじってたべたり、ナイフで切ったりして食べます。

ヨーロッパではかなり身近な食材ですが、日本ではまだまだで国内で生産されているのはごく限られた畑だけのようです。今回食べたアーティチョークは三浦半島で生産されたものですが、武藤農園さんという農家さんがもう10年以上も前から作り続けているアーティチョークをいただきました。

武藤農園さんのHPの挨拶文です。全体的に心に迫る素敵な文章なので是非読んで欲しい。

 

三浦半島で数十年も前からこのアーティーチョークを作りつづけている。私

で早や三代目である、今でこそ少しは日の当たるときもあるが、たかがアザ

ミである。しかしヨーロッパの地域によっては三番目によく食べられるなじみ

の深い野菜である。そんじょそこらの野のアザミとは訳がちがうのだ。

ではどこでお目にかかれるかというと専ら高級フランス料理や高級イタリア

料理店であるが諸兄は、そんな高級店には行かないし当然そんなものは

食ったことが無いとおっしゃるかもしれない、しかし、ここで大切なことはアー

ティチョークはとても旨い。人によれば世の中で一番旨いと豪語する輩もい

るくらいである、きっと旨いに違いない。

いくつか料理の方はあるが茹でて食うのが一番である、それも飛び切り新

鮮なものを茹でてマヨネーズや塩をつけて食うのである。だが残念、新鮮な

ものは国産の一部の産地のもので多くは輸入とビン詰、冷凍….これらの味

は保証しない がアーティーチョーク云々と高級おふらんす料理店には書い

てあるだろう、もう一つ、国産は初夏の一時期しか市場に出回らない….

れはそうだ冬にはまだ出来ておらず夏には花になっている、このページを作

成している今は冬であるが、どうひっくり返っても国産物は無いのである。

(これも高級食材たる所以である)茹でたアーティチョークはユリネやジャガ

イモに似た舌ざわりである大きなツボミの中心部にある柔らかいガクと花托

を食用にする。

和名は朝鮮アザミこれは何かで聞いたことがあるやも...。

さてよだれを流し食べたくなった諸兄に朗報がある。

当武藤農園では、インターネットによる紹介と通信販売を始めた

価格は1350円である申し訳けないが爺(ジジイ)と婆(ババア)でやって

おるもんでご近所お友達とまとめて注文してくれると助かる

10個で3500+送料800円である、朝一番に採りたてを持っていってもら

ってもいいぞ、そうすっと送料はいらない、茹でて食わせることもしたいがやっ

ぱ爺(ジジイ)と婆(ババア)で大変なんで止めとく。

連絡先は以下のところで生ものなので不在で荷物が帰ってきたときはそ

のままもう一度送るから覚悟しとけ….いかんいかん地が出てしまった。

そんなことの無い様にしてくだされよ、数日たったものをわしらが食わにゃいかんもの。

では詳しくは以下のとおりです。お電話お待ちしております。

再販売業者様、レストラン経営者様などご注文もお受けしています。

 

このように、国内でもわずかな農家さんがアーティチョーク栽培に励んでいます。通年流通してはいるけれど、まだまだ輸入されるものが多く、国内での生産は少しだけのようです。国内の物は4月頃から~7月頃まで出回り、食べ頃の旬の時期は5月から6月頃。種蒔の適期は3〜4月か9〜10月で、春まきにすると育てやすいらしく、初めて育てる場合は、八重桜が咲き終わる頃に蒔くのがいいそうです。

ちなみに、アーティチョークの花言葉は、警告・傷つく心・独立独歩・そばにおいて・孤独・厳格という意味が込められているようですね。葉の先端がトゲになっていて、触るとけがをすることに由来しているんだとか。

美味しいの?不味いの?どっちなの?

お待たせして申し訳ない。ここからがようやく食べレポです。

社長に教えてもらいながら、30分間沸騰させたお湯の中でぐつぐつと茹でました。

茹でると緑だったものがこんな感じに「黒く」なります。見た目は余計に厳つくなりました。

この先、どうやって食べるかというと、このままかぶり付くなんて無茶なことはしてはいけません。普通に痛いです。花を一枚一枚とりながら、花の付け根に「ポテト」のようなものがついているのでそれを食べます。花は食べれないので注意。

そして、食べる際、そのままでは無味なので「ごま油」「岩塩」「レモン」「マヨネーズ」といった調味料をつけて食べるのをお薦めします。個人的なベストマッチは「ごま油」と「マヨネーズ」といったところでしょうか。

少しの苦味とあくがちょうどいい感じで癖になります。居酒屋で注文する「枝豆」的なポジションで酒の肴にはピッタリなことがわかりました。結論、控えめに言ってもとても美味しいと思いました。ただ、夢中になって食べていたため、間の写真がなくこれに関しては本当に申し訳なく思います。

さらに、アーティチョークにはたくさんの「医学的効能」があるというのです。これも社長から教えてもらいました。まず「肝臓」に優しい。アーティチョークは、肝臓の回復を早め、この重要な臓器の再生を助けてくれるんだそうです。弱った細胞を再生するだけでなく、胆汁の生成も促進し、肝炎、肝硬変、のような疾患を治療するのにも使われるんだとか。社長ご自身も肝臓を悪くしたご経験があるようで、その時はアーティチョークの力をここぞとばかりに感じたようです。

そして「脂肪燃焼」を助ける効果にも優れているそうです。アーティチョークがもつ浄化作用が、体から有害物質の排除を促してくれるそうで、アメリカで食べている時、14km痩せたと社長は言っていました。この他にも、代謝と消化を高める、尿酸値を下げてくれる、頭痛の治療など様々な効能があるそうです。

こちらのURLに医学的効能については詳しく載っているので参照ください。

アーティチョークの効果8選

「これは居酒屋メニューとして、ありかもなあ」と頭の中で考えていた時に聞いた話だったので、お酒で肝臓を壊しながらアーティチョークでそれを再生させるという、実現したらなんともユニークなコラボレーションだなあなんてことを考えていました(笑)

美味しいお酒のおつまみになって、それでいて体の健康にも良いって、こんな食材他にありますか?

「食べたくない」という第一印象は変えられない

ここから先は「コミュニケーション」の観点からアーティチョークのことを考えてみます。

もうあえて説明する必要もないですが、アーティチョークという食べ物は見た目がとても「残念」です。トゲトゲしいその姿は、まるでマリオカートにおける主要アイテムである「トゲ付きの甲羅」を彷彿させる。何も知らない状態で見れば当然「食べたくない」と思うのが普通でしょう。自分だけじゃないか?そんなことありませんから安心してください。

ここで「人は見た目が9割」「第一印象が重要」という話が頭の中に浮かんできました。

人は見た目が9割、だから第一印象が重要である。という話は、ほとんどの会社の新入社員研修で使われているであろう普遍性の高いものだと思います。これ、最近知ったのですが「メラビアンの法則」という裏付けもしっかりとあるんですよね。

第一印象のほとんどは「視覚情報」から得られている

というもので、具体的に書くと、印象を決定する要因には

  • 言語情報(Verbal:7%):話の内容、言葉そのものの意味
  • 聴覚情報(Vocal:38%):声の質・速さ・大きさ・口調
  • 視覚情報(Visual: 55%):見た目・表情・しぐさ・視線

といった数値があって、各情報の頭文字をとって3Vの法則、あるいは数字から7-38-55のルールなどともいわれています。こうやって定量的にも見せつけられると、ぐうの音も出ません。55+38で93。だから見た目が9割です。

さて、この法則をアーティチョークに当てはめましょう。

  • 言語情報(Verbal:0%)
  • 聴覚情報(Vocal:0%)
  • 視覚情報(Visual: 100%):見た目

印象を決定する要因の100%を見た目が占めており、それでいてあの姿形です。「食べたくない」と思うのは当然です。食べたからこそ言えますが、あんなに美味しくて体にいい食材なのにこれはとても可哀想。

アーティチョークには愛好家が必要

ここまでで分かったと思いますが、アーティチョーク単体では、その味を知らないかぎり見た目が足を引っ張って、食材として箸にも棒にもかかりません。ブロッコリーなどと同じようなイメージ?でもどうやって使えばいいのか一般の人には全く想像がつかないと思います。

しかし、今回、僕がクライアント企業の社長の薦めで食べたように、アーティチョークが持たない聴覚情報、言語情報が誰かの手によって加わったとすれば第一印象は単体の時と比べて、だいぶ違うはずです(初見がそうだったんで正しい分析ではないですが)。

30分間茹でていく中で、なぜアーティチョークに出会ったのか、なぜアーティチョークを好んで食べるのか、なぜそこまで愛しているのか、などアーティチョークと社長にまつわる数々のストーリーやドラマを聞かせてもらいました。そうすると、あのトゲトゲしく痛々しいアーティチョークに対して「はやく食べてみたい」という、ポジティブな欲望がふつふつと湧いてきたのです。あの第一印象はいずこにいった?

帰りがてら以上のようなことを考えていたわけですが、僕の結論としてはこうです。

アーティチョークの価値を伝えるためには。

人は見た目が9割というのは普遍であり変えることはできない。アーティチョークのあの姿形色も変えることはできない。変えることができるのは「見た目以外の情報」のみ。

アーティチョークを目の前にした人と、見た目以外の情報を加えて複合的なコミュニケーションをとることができるかどうかがキーになる。でもアーティチョークはしゃべる事ができないので、社長のようなアーティチョークマニア、愛好家が必要で、セットでいてくれれば、酒好きは間違いなく好きなる。

アーティチョークの真の価値を、知らない人に伝えるためには「愛好家の育成」や「見た目以外のコミュニケーション設計」がセットでなければならないと思いました。

今回考えたことはこの辺りまでになります。

さいごに

とりあえず、社長のおかげですっかりアーティチョークのファンになってしまったため、今後、食べる機会を増やしていきたい。

日本の風土には合わないと言われていたようですが、最近の気候変動もあって育つ可能性が出てきたようなので自分の畑でも育ててみたい気持ちです。

次回の更新もお楽しみに!それではまた。

ABOUT ME
田中 新吾
マーケティング会社でキャリアを積み、現在はコミュニケーションデザインという領域で活動しているコミュニケーション・ディレクターです。チョコバナナが好物です。

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